CASIO QV-10 |
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【概要】
もうあまり記憶には残っていないけどQV-10を知ったのは確か日経パソコンの広告だったと思う。その当時存在していた電子スチルカメラという物は値段も高く、磁気ディスクを使っている割に画像はビデオと同じくアナログデータだったりして現在のようにコンピュータに取込んで気軽に利用するという性格の物ではなかった。 コンシューマ用のデジカメとしてはKodakのDC40の方が半年ほど先行して発売されており、QV-10はこの分野では先駆者ではなかったがデジタルカメラという名前を一般化し、フィルムカメラを駆逐する勢いの源流にもなったと思う。現在ではデジカメライターが様々な雑誌やWeb上で盛大に記事やコンテンツを発表しているが、それは1996年頃位からでQV-10やDC40が発売された1994年や1995年頃はコンピュータ関連誌でもほとんど見かけない。アサヒカメラの記事でも取上げられなかったからデジカメは当時としてはカメラ扱いされていなかったようだ。 では、なぜQV-10がDC40では成し得なかった市民権をこれほどまで得ることができたか、それは優れた製品企画で大きな要素が3っ存在したからだと考えられる。まず第一に簡単にシリアルケーブルでPCにデータを取込めたことである。これはDC40も実現していたことであるが、デジカメはやはり画像をデジタルデータとして扱うので当時インターネットブームで、皆こぞってパソコンを買いあさった時期とも重なり一気に火がついた感があった。 次にファインダとモニタ兼用の液晶を搭載していたことが大きな要因の一つと考えられる。フィルムカメラでは不可能な撮影した画像をその場で見ることができるという機動性の高さがかってないアイテムとして受入れられた。 カメラ撮影というと小さなファインダに目を当てシャッターを押すのが今までのスタイルであったが、QV-10では当時としては比較的高視野角の1.8型のTFT液晶を贅沢に搭載し、回転レンズというこれまたフィルムカメラでは不可能な機構を取入れたことにより自由な撮影スタイルがとれ、モニタを見ながら自分を写すといことが容易にできた。ほかにもビデオ出力など現在のデジカメに脈々と受継がれている機能は多い。 この2点によりDC40では成しえなかった市場の確保をまたたく間にやってのけ現在の巨大マーケット形成までの礎となったと考えている。 |
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【外観】
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《写真左上》
本体正面より。大きさは比較的小型、ちょうどAPSコンパクトカメラくらいでポケットに入れてもそれほど邪魔にならない感じ、でも筐体はプラスチッキーでちょっと安っぽい感じがしてしまうが、持った感じは単三電池が4本入っているのでAPSカメラの感覚で持とうとするとずっしりとした感じだ。 《写真右上》 本体背面より。1.8型の液晶があるので当時はフィルムカメラに見慣れた目には奇異なものに映った。光学ファインダーがないので直射日光下での撮影はちょっとつらかった。機能はすべてボタンで操作して、今のデジカメのようにモニタのメニューに頼ったものではなかった。それだけ機能がシンプルであったということか。 |
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《写真左上》
これまた奇異な物に写った回転レンズ。良くできていて90°位回転させると画像が反転して、180°回転させて自分を写すときなどはモニタには上下逆さまにはならない画像が表示された。もちろん撮影データも逆にはならない。 《写真右上》 けっこうしっかりとしたソフトケースが付属していた。ほかにもビデオ出力ケーブルも付属していてTVで気軽に画像を見ることができた。しかしPCのモニタ上では当時でもハーフVGAの画像はイマイチの感じがあったが、ことTVで見るには問題はなかった。いかにTVの解像度が低いか思い知らされる。 |
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《写真左上》
パッケージは接続キットがオプションになっていたので写真のようにかなり小さい。「液晶デジタルカメラ」と書いてあるあたりが自慢げだ。後ろはオプションの接続キット、左側がQV-10と同時発売された物で付属のシリアルケーブルは細く頼りないがコネクタはゴツく手作りっぽい物だった。右は後に発売された物でケーブルはしっかりした物に改められた。なお接続キットに付属している転送ユーティリティソフトはCASIOのホームページからはダウンロードできない。必ずこれらのキットを購入しなければならない。 《写真右上》 オプションのこれまた妙にゴツいACアタプタ。PCへの転送速度は何と9600bpsと妙に遅く、NECのPC-98に配慮した結果なのだろうか、内蔵メモリ2MB使い切ると転送するだけで電池が無くなってしまうほど。 |
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【画質】 ※サムネイル写真はオリジナル画像にリンクしてあります。
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最初に断っておくがこのデジカメの画質は今のデジカメのように「解像度が云々・・・・」とか「色合いがどーたら、こーたら・・・・」というレベルのものではなく、本体のモニタに写してみたりビデオ出力にてTVに写して何とか見られる程度の画質である。当時はこんな画質でも撮ったその場で見られるという気軽さで十分に楽しめた。まあ、こんな画質ではカメラではないというフィルムカメラ屋さんの声も実に良く聞かれたが・・・・
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《写真左上》
ハーフVGAという出力データからしてもとても高解像度は望むべくもなく、こうしてディスプレイ上で見るとよほど光学系が適当な物を使ってあるらしく木の枝の所はかなり色収差がひどい。ただしこの風景の雰囲気はよく出ていてTVに出力するとほとんど違和感はない。 《写真右上》 特に苦手なカットの内のひとつ。CCD以外何ひとつQV-10用に流用する物がなく、こだわりが感じられるモニタ用の1.8型液晶は当時としては贅沢な物を使用しているため6万円代に定価を抑えるために様ざまなコスト削減の苦労がしのばれる。レンズもそのひとつだったのか・・・・ |
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《写真左上》
もちろんダイナミックレンジも広くはないが、画質もイマイチなので逆にそんなに気にならない(?)。ただ夕焼けの雰囲気は良くでている。 《写真右上》 色の再現性はけっこう初期のデジカメではあるがけっこう健闘していると思うが、こんな風に今のデジカメもそうだが晴天下での雪の撮影では色収差が激しく発生する。 |
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《写真左上》
ほとんど細部描写はないに等しい写りだがデータ量が少ないせいか、それとも内部処理が当時としては優秀だったのか動作は軽快で動きのある被写体も特に困ることはない。また再生も軽快でパラパラとめくるように表示が可能。後に出てくるVGA機でも見習って欲しかった。 《写真右上》 このような無機質な物は比較的良く写る。ちなみにこの写真は曇天下での撮影だが晴天下で暗明差のある車などの被写体では情け容赦なくスミアが発生する。電子シャッターの泣き所だ。 |
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《写真左上》
10cmからのマクロ機能も持っていたのでけっこう遊べた。また現在でもホワイトバランスがおバカなデジカメを見かけるがQV-10ではけっこう安定していて、極端に外す事の少ない優秀な部類のデジカメだ。 《写真右上》 ちょっとQV-10には意地悪な写真。圧縮率が高いのかしっかりギザギザが出てしまう。 |
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【仕様】
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| 映像素子 | CCD 総画素数25万画素 1/5インチ |
| 記録画素数 | 320×240 | 記録方式 | CAM(JPEGベース) |
| レンズ | 固定焦点式 f5.2mm(35mm版換算約35mm) F2 |
| 測光方式 | CCDエリアセンサーによるTTL中央重点測光 |
| 絞り | F2/F8 マニュアル切替え式 |
| 撮影距離 |
F2 ノーマル;60cm〜310cm、マクロ;13cm〜16cm F8 ノーマル;28cm〜∞、マクロ;10cm〜24cm |
| ISO感度 | (不明) |
| シャッター | 1/8〜1/4000秒 (電子シャッター) |
| オートフォーカス | パンフォーカス |
| 記録媒体 | 内蔵メモリー(2MBフラッシュメモリー) |
| 液晶モニタ | 1.8型TFT低反射カラー液晶 |
| 電源 |
単3形電池×4本(アルカリ、ニッカド、ニッケル水素) 外部DC |
| 外寸(mm) | 130(W)×40(D)×66(H) mm |
| 重量 | 約190g(電池別) |
| メーカーサイト | QV-10 ニュースリリース |