被写界深度とボケ味

今回はちょっと難しいタイトルで「被写界深度」という言葉が出てきますが引かないでください。タイトルは難しい言葉ですが写真を見るとけっこう気になる部分でもあります。
さて、下の2枚のまるの写真を見比べてください。片方がデジカメでもう片方が1眼レフカメラで写したもので、大きな違いがあります。ちなみに写真をクリックしてもらうと大きな写真にLinkされていますので、大きな写真で見てもらうともっと判りやすくなります。
すぐ判ると思いますが、左の写真は近くのまるにも遠くの背景にもピントが合っていて、結局どこにでもピントが合っています。それに比べて右の写真はピントは近くのまるにしか合っていなくて、バックはボケています。好みはあると思いますが、まるを写すという事ではバックがボケているとより主題であるまるが浮出ているような感じになり、やはり背景はボケていたほうがよりプロが撮った写真のようになります。さて、どちらがデジカメで撮ったかですが、左の写真が普通のデジカメで撮ったものです。と言う事はデジカメでは背景のボケたプロが撮った様な写真が撮れないのでしょうか・・・・
それではさっそく、手持のデジカメで試してみましょう。またまた画像をクリックで大きな写真へとLinkしています。

Nikon Coolpix990

SANYO DSC-MZ1

OLYMPUS C-2100UltraZoom

Nikon D1+F24-120mm
と、普通に撮影するとどのカメラも背景はそんなにボケません。唯一D1が少しボケています。
で、こんなような状態の写真を被写界深度が深いと言います。分りやすく言うとピントを合わせた「モノ」よりもずっと奥までピントが合っているので被写体のピントが深くまで合うという意味です。ピントが合うのはピンボケになるよりは良いのですが、背景が上の写真のようにゴチャゴチャした写真だと主題である赤い花が引き立ちません。では、どうしたら背景だけをボカす事が出来るのでしょうか。専門用語を使えば被写界深度を浅くすることが出来るのでしょうか。
答えは簡単です。望遠側で写せばいいのです。「そっ、そんな事をしたら、大きくなって画面からはみ出しちゃうよ・・・・」という声が聞こえてきそうですが、そんな時はデジカメを持っている人が後へさがって撮影してください。その時はマクロモードにします。
下が望遠側で写してみたものです。同じく写真のクリックで大きな写真へとLinkしています。

Nikon Coolpix990

SANYO DSC-MZ1

OLYMPUS C-2100UltraZoom

Nikon D1+F105mm Micro
望遠側ではきれいに背景がボケる機種と少ししかボケない機種があります。どうして差が出るのでしょうか?。まずは機種ごとにレンズの違いを下の表にしましたので見てください。

機種名 レンズ
Nikon CoolPix990 f8〜24mm(35mm版換算38〜115mm)
SANYO DSC-MZ1 f7.25〜20.3mm(35mm版換算35〜98mm)
OLYMPUS C-2100 UltraZoom f7.0〜70.0mm(35mm版換算38〜380mm)
Nikon D1 ワイド側:f24mm(35mm版換算36mm)
望遠側:f105mm Micro(35mm版換算157.5mm)

普通のデジカメのレンズの焦点距離は35mmフイルム換算の焦点距離と比べて1/5程前後小さくなっています。この事により35mmフィルムに対して1辺の大きさがデジカメのCCDは1/5程の大きさだということが判ります。さて、普通は焦点距離が長いほど被写界深度浅くなるということが光学的な法則になっています。デジカメではコストの関係で小さなCCDを使うのでレンズの焦点距離が短くなってしまい、結果的に背景がボケなくなってしまいます。D1でもフィルムに比べCCDが1/1.5なので若干ボケ味がスポイルされていますが、C-2100UltraZoomでは35mm版換算で380mmという超望遠レンズのおかげで1/2インチと1番小さなCCDを積んでいるデジカメですがきれいに背景はボケています。

背景がボケた写真を撮りたい場合は3倍ズーム位のデジカメではちょっと無理なので、6倍ズーム位のデジカメを買ったほうが良いと思います。でも、今持っているデジカメで何とかボケさせたいのならば2倍位の望遠コンバージョンレンズを装着すれば何とかなります。ただし、画質は若干低下することを覚悟しておいて方が良いです。(写真はNikonの3倍テレコンバージョンレンズです)

(2001年10/01 記)